本音を言おうとすると涙が出てきてしまうあなたへ

今日は本音を言おうとすると涙が出てきてしまう、過去の私の葛藤とこの現象をどう乗り越えてきたかについてお話しようと思います。

どうして勝手に涙がでるんだろう?

私は幼い頃からずっと、思っていることを言おうとするとすぐに泣いてしまう自分を恥ずかしいと思って生きてきました。

たとえば、恋人と喧嘩した時は相手に「こうしてほしい」とか「こうされるのがイヤだった」とか、本当は言いたいことがあるのに、涙が出てきてしまって言えなくなってしまったりします。

相手からすると「いつも泣いてばっかりじゃん」とさらにイライラされるんですね。

これが仕事になるとさらに厄介で、例えば上司からミスの指摘された時、「こう考えてこうしたんです」と言いたいだけなのに、先に涙が出てきてしまってなにも言えない。

上司からしたら、「指摘するとすぐに泣く」ので扱いづらいと思われる・・・

いや、別に泣きたいわけじゃないんです。自分が1番、泣くほどのことでもないと分かっているんです。

それなのに自分の意志に反して、勝手に涙を流してしまう自分が大嫌いでした。

一度溢れると簡単に止まらない涙

本音を話そうとすると、私の中の奥深いところにある心の蛇口が勝手に開いてしまうというか…。

そして私の中からすべての感情が涙になって溢れてくる感覚です。

一刻も早く涙を止めたいのに自分ではどうしようもできなくてただ悩んでいました。

周りに同じようなことで悩んでいる人は見当たらなかったし、私は自分のことをすぐに泣く弱い人間だと思っていました。

優しい言葉をかけられるほど、どんどん涙が溢れてきてしまう。心の奥深くにある蛇口の締め方が分からないから、自分でどうしたらいいか分からない。

情けない話で、前職に勤めていた頃、ミスコミュニケーションが原因で同僚と派手にもめごとを起こしたことがありました。その時、激怒した同僚は私に「こんな金のことしか考えてない女とは働きたくありません!!」と強めの言葉をぶっ刺してきました。

私はその時「ちょっと待て待て…誤解されてるじゃん…」と思い、事実を伝えようとしたのですが、例のごとくただ涙が溢れ、なにも言えなくなってしまいました。

この時、他のストレスも重なりなんと12時間も涙が止まらず…(笑)会社に戻れなくなったこともあります。

いい歳した大人が、赤ちゃんのように泣き続けるなんて自分の存在が恥ずかしくて消えたくなりました。

その時は泣き続けたことで、顔が筋肉痛になってありえないほどに腫れましたが(笑)そのくらい悩んでいました。

なぜ自分だけこうなんだろう

物心がついたときからそうでした、妹と喧嘩して両親に怒られたとき「妹に〇〇されたのがイヤだったから意地悪した」と言えばいいのに、それが言えずただ泣いていました。

小学生、中学生を振り返っても、なにか自分の本音を打ち明けるときに泣いていた記憶しかありません。

気が付いたときからこの状態だったので「みんなは自分のこと話すとき泣きそうにならなくていいなー」と思いながら「なんで私だけこうなんだる?」とずーっとモヤモヤぐるぐるしていました。

そんなある日、28歳の時です。時間潰しに徘徊していたインスタグラムでこんな投稿を目にしました。

本音を言おうとすると涙が溢れてしまうそんな方は・・・

え!?

これ私じゃん!

そう思い、私は飛びつくようにすぐにスワイプしました。

続きを見てみるととそこには、なぜ本音を言うと涙が出るのかの解説がしてありました。

さらにそんな症状がある人はHSP(繊細さん)である可能性が高いとも書いてありました。

その時はまだ理解できませんでした。

HSPってなに…?繊細さんって何…?(私ガサツなタイプなので、繊細さんって言葉にしっくりこず…)

でもそこに書かれていることが自分に当てはまりすぎていて、すぐにHSPについて食い入るように調べました。

涙が溢れてくる以外にも、

  • 相手の言いたいことが分かる
  • 人に関しされるといつも通り行動できない
  • 大きな音がきらい
  • 一人の時間が必要

などなど、色んな特徴にビンゴ状態。調べれば調べるほど自分が”HSPっぽい”ということが分かりました。

自分の悩みが解消するかもしれない、そんな思いでHSPを提唱した人の論文を読んだり、複数のサイトでHSP診断テストを受けてみたりしました。

やってみるとほぼすべての項目に当てはまっていて、何度試してもHSPの可能性が高いという診断結果になりました。

この時はじめて、自分がHSPといわれる部類に入るんだなと確信しました。

その瞬間、ものすごく心が軽くなりました。

自分の中の突っかかりが無くなった気がしました。

また調べていくうちにHSPは病気ではなく、気質であること、そして治るものではないと分かりました。

ただそれが分かるようになると「直せないならうまく付き合おう」「楽に生きるために、これからどうしていこうか?」と前向きに自分の性格を捉えられるようになりました。

涙対策をした

それからはトコトン自分に向き合いました。

自分が何をしたら涙がでるのか、どんな場面で泣いてしまうのか、これまでを振り返って書き出してみました。

面白いもので、涙が出る原因をしっかり理解できればある程度の対策ができるんですね。

それからというもの、私は上司からミスを指摘されるとだろう日(泣いちゃう予測ができる日)は、在宅勤務をするようにしました。

この行動は逃げだって思われるかもしれません。

でも自分を守る方法だったですよね。涙が溢れて、止まらなくなる自分も嫌い。そしてそんな自分を誰かに見られて「すぐ泣くめんどくさいヤツ」って陰で言われることももっと嫌。

だからそんないやな自分から離れるために涙対策をして、自分にとって良くないことを少しずつ手放していくことにしました。

泣くのは止められないので、人の前で泣かなくてもいいように自分で泣く場所を選ぼう。そんな感覚でした。

涙の感覚が変わり始めた時

そうするうちに、自分の中で少し変化がありました。

それは私が海外移住の決意をして、当時勤務していた会社に退職の申し出をしたときのこと。

「自分が後悔しないために今、海外に挑戦したいです。退職します。」上司にこう言いました。

当時はコロナ渦で海外に行くなんてバカなやつだと言われかねないので、退職理由はうまいこと隠そうと思っていたのですが、それでは変われないと思い、思い切って自分の本音を言ってみました。

もちろん私の本音だったので、いつものように涙が溢れました。

しかし上司は「お前の夢なら応援する。いつでも戻ってきていい」と、こう言ってくれたました。

まさか応援すると言ってもらえると思わず、また涙が出てきました。でもこの涙は嬉し涙でした。

いつも泣いているだけで結局本音が言えず終いでした。でもこの時は退職すると言うしかなかったこともあって、自分の本音を相手に伝えることができたんです。

そしたら上司に私のやりたいこと(本音)を認めてもらえた。その嬉しさからか、いつもの涙とは違う涙でした。泣き続けることもなく、涙もすぐに止まりました。

後日、別の上司とも面談をしました。私はすぐ泣くキャラだったので、「泣かんといてや」とその上司から話す前に釘を刺されました。

そしてこの時も前回と同じように「海外に挑戦したいです!」と本音を話してみることにしました。

すると今度は、涙が出ませんでした。

あれ?私こういう話の時、いつも泣いてたのに、今日泣いてないじゃん!

自分にびっくりしました。自分の気持ちを認めてもらったことが初めてだったからか、本音を言うことが怖くなくなった瞬間でした。

上手く言葉にできませんが、よくわからない何かを乗り越えた気がしました。

本音を言えるようになってからの毎日

その後、当時の職場では私が海外移住のために退職することが公表され、みんながこの決断を羨ましがりました。

私がどうして海外に行きたいのか、興味を持ってデスクサイドまで話を聞きに来るんです。

本音を語ってほしいと求められるようになったんです。

どうして海外移住を考えたの?

どうしてジョージアに行くの?

海外ではどうやって生活するの?

どんなことをやりたいの?

・・・・・などなどたくさん聞かれました。

ずっと本音を抑えてきたわたし。でも1度本音を誰かに話してみたら、急に人間関係がイージーになりました。私が勝手に本音を言わなかっただけで、話せばみんなすごく優しいじゃん!そんな感覚です。

それから毎日が楽しくなりました。

今も涙が出る事実は変わらない

ぶっちゃけ今も泣きます。

でも今はそれを自分の特性だと思って対処することもできるようになったし、涙が溢れること自体を恥ずかしいと思わなくなりました。

本音を言うと涙がでるのが私の特徴なんだから「私の言動が噓かどうか見分けるの簡単でしょ!」そんな感じに捉えています(笑)

この件があってから、私は本音を言うことが怖くなくなったのですが、それに伴って自分が思っているよりも、私の本音を受け止めてくれる人がたくさんいること、そして世間は優しいと感じるようになりました。

海外に挑戦したいと言ったことを否定してくる人に時間を割かなくてもいいし、私のことを嫌いな人の言葉に傷つかなくていい。

そんな人のことよりも、私の決断を応援してくれる人を大切にしようとうになりました。

そんな風に過ごしていたら、人生がとても楽になりました。

勝手に涙が出る自分に戸惑っていた私へ

子供頃からすぐ泣く自分にずっと悩んできたね。

泣いているところを誰にも見られたくなくて、いろんなことを試したね。

それでもうまくいかなくて「自分は弱い人間だ」ってたくさん自分を責めてたね。

どうして涙が出るのか理由が分からず、自分だけが悩んでいると思って不安に感じてたね。

1人でよく頑張ったよ。でもね、もう大丈夫。

近い将来、どうして涙が出てくるのか原因を知る時が来る。

そんな自分と向き合って乗り越える時が来る。そして今まで押し殺していた本当の気持ちを素直に口に出していいんだ!って思える時がやってくる。

あなたが思っている、何倍も世界は優しいよ。

本音を言っても誰も怒らない。

あなたのことも嫌いにならない。

本音を言えるようになると少しずつ人生が明るくなっていくから。

だからそんなに落ち込まないで。

その涙がうれし涙に変わる日がくる。そしてあなたの決断を応援してくれる人に囲まれる。

ちゃんと変われるから、大丈夫。前を向こう。

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この記事を書いた人

現在東南アジアを放浪中の海外ノマドワーカー。現在2年目。
2021年9月に大手人材エージェントを退職。その後、時間や場所に捉われない働き方を叶えるために東欧ジョージアへ。笑ってコラえて!のジョージアレポーターも務める。現在は企業向け採用支援、コミュニティマネージャー、ノマドニア体験プログラム「ノマドニア」運営、キャリアコーチなど。

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